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登矢ヶ峰城 [城]

前回からまたまたえらい更新が遅れてしまった・・・
最近「おれのしろ」って変換したら「折れの城」になってしまった・・・パソコンからもそう見られているのか・・・俺!

気を取り直して今回は瀬沢合戦で諏訪頼重の陣場となった伝承のある登矢ヶ峰城、別名・瀬沢城を見に行った。

国道20号線を甲府方面に向かって車を走らせていくと富士見町の瀬沢あたりにヘアピンカーブがある。
そこに瀬沢合戦の石碑と案内板がるので、先ずはそこで足を止めた。
瀬沢合戦の碑.jpg
そもそも瀬沢合戦とはなんだろうか。
瀬沢合戦についての案内板を見てみよう。

富士見町指定史跡  瀬沢合戦跡

 瀬沢合戦とは、「甲陽軍鑑」によればおよそ次のような合戦の事である。
天文十一年(1542)二月、信濃の小笠原・諏訪・村上・木曽の四大将は甲斐の武田晴信(信玄)を攻めようと合議し、甲信境の瀬沢に陣取った。この動きを察知していた晴信はひそかに軍勢を発し、三月九日朝、信濃勢の不意をついた。戦いは辰の刻(午前八時)に始まり未の刻(午後二時)に終わり、武田軍は信濃方一六二一を討って大勝したが、味方にも多数の死者を出した。
 その戦場となったのは、瀬沢を中心に新田原から横吹におよぶ広い範囲と考えられる。
江戸初期に成立した甲陽軍鑑の記述には実際の年次と合わない点がある。また、同時代の記録に瀬沢合戦のことは見当たらない。しかし、地元にはその伝承と合戦を裏付けるものが存するのである。
 戦死者の屍は九つの穴に埋めて塚を造ったと伝えられ、その九ツ塚は横吹の西の口、武智川と中山の中間にあった。いまはすべて失われてしまったが、大正の初めころまで甲州より墓参りに来ていたという。
 瀬沢の西照寺(養福院)の境内の笠塔婆と思しき石塔には「于時天文十三甲辰三月一日 旦那九人 敬白」と刻まれている。その日付は三回忌に符合する。
 享保一八年(1733)に作られた「諏訪藩主手元絵図」の瀬沢村図には、今の御別当の地籍に「此所武田信玄公御陣場ト申候」と注記され、立場川を隔てた新田原の地籍に「此所諏訪頼重公御陣場ト申候」とある。
 そのいっぽう諏訪頼重はトヤヶ峰に布陣し、敗れて入笠山を越えて逃れたといわれる。
 そのほか、戦場を思わせる「おんまわし」と呼ばれる地籍、戦死者の末裔にあたる尼僧が亡霊を鎮めたという「あまんどう」と呼ばれる地籍など、関連する地名が伝えられている。

武智川は何かの合戦のときに血で川が赤く染まった事から武血川と言われていた、という伝承を聞いた事があるが・・・それは瀬沢合戦での事だったのか?
このような伝承はいろいろあっても史料に瀬沢合戦の記述がないとはどういう事であろうか?

登矢ヶ峰城



登矢ヶ峰城の位置関係
かつては国道のようなルートではなく木戸口から横吹へとぬけて諏訪方面へと行く街道だったとか。
瀬沢上空之図.jpg
釜無川との合流付近の立場川に架かる橋付近からの登矢ヶ峰城
甲州側からはかなりの山に見えるが諏訪側からだとそれほどでもなく地続きのようだ。
東からの登矢ヶ峰城.jpg
さらに近づいてみる
今回は登って見なかったが遺構らしいものは無いらしいが山頂の平に祠があるという。
交通の要衝でもあるから物見があってもおかしくはないだろう。
登矢ヶ峰城.jpg
登矢ヶ峰城のすぐ下の先能集落
立場川に沿ったように土塁のような長い小山が続く。
小山のむこうに乙貝川があり木戸口への道がある。
先能集落.jpg
釜無川に沿って登矢ヶ峰城を南側から見る。
この少し先で武智川と釜無川が合流する。
南西からの登矢ヶ峰城.jpg
少し右を向くと釜無川の谷間から八ヶ岳もよく見える。
登矢ヶ峰城の山頂からならば麓までよく見えるであろう。
釜無川からの八ヶ岳.jpg
瀬沢合戦の伝承は武田晴信と諏訪頼重の前の世代である、諏訪へ侵攻してきた武田信虎と諏訪頼満の争い(神戸・境川の合戦)の伝承なのではなかろうか。
武血川の伝承も、武智川に流れたのは敗走した武田方の血で武血川となったのかもしれない。
この争いの和睦は諏訪大社の神官が間に入って立場川とも推測される境川で誓約された。
ひょっとしたら登矢ヶ峰城のあたりの立場川だったのかもしれない。

「甲陽軍鑑」にある瀬沢合戦の記録とは何だったのだろうか・・・瀬沢合戦が「甲陽軍鑑」にみられるのが天文十一年二月であるのは、同年七月に同盟を無視して諏訪へ侵攻したことへの大義名分を欲しかったからではなかろうかとも思えてくる。


記事「登矢ヶ峰城」の参考文献
宮坂武男著「図解 山城探訪 第一集 諏訪資料編」


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