真田本城 [城]
早くしないと日が暮れる~と、岩櫃城よりやって来ました真田の庄。
この真田町の地域だけでも行きたい場所は盛り沢山・・・
辺りは赤みを帯びてきたのでどこをチョイスするか悩みどころだ。
岩櫃城より国道145号線を上田方面へとひた走る。
途中八ツ場ダムの建設現場やそれに付随して造られたと思われる八ツ場バイパスを通ったり、我が夫婦には懐かしい東海大学嬬恋研修センターへの入口を発見したり、県境付近で猟犬に追い詰められるカモシカを発見したりと、道中もなかなかに盛り上がり鳥居峠に到着。
ここまではなだらかに登ってきたイメージだったが、峠を下り始めるとつづら折れの険しい峠道となる。ちなみに群馬県吾妻郡長野原町の羽根尾交差点から144号線になっていたようだ。
鳥居峠を下り国道144号線をしばらく走ると横沢という信号があるので、これを県道4号線へと入って行く。実はこの道沿いにある山は松尾古城と呼ばれる山城である。でも今回はパス。
この先にある長谷寺へ寄ったのだが紹介はまたの機会としてとにかく真田本城へと向かう。
この辺りの道沿い左側を注意して走って行くと(上田からだと右側)真田本城を指す小さな案内板が立っているのでそれに従ってさらに進むと駐車場へと辿り着く。
真田本城の縄張図 (赤丸が駐車場の位置)
宮坂武男著 「図解 山城探訪 第三集 上田小県資料編」より真田本城縄張図
この後行った真田氏歴史館でいただいた「信州上田 真田氏ゆかりの山城案内」には
真田氏本城への行き方や見所案内も・・・ざっくりしているが解りやすい!
こんなパンフレットだが砥石城ではなかなかに活躍してくれるのだった。
それでは本郭へと向かって行こう。
この本郭南の辺りも段になっていて郭の体を成してはいるのだが、
日当たりもよいのでもしかしたら桑や果樹など耕作された跡か?
現在は日当たりも良く芝の郭に厠も整備され芝生公園となっている。
この辺りからの眺めは上田城こそ砥石城の陰で見えないが上田方面への見晴らしも良い。
再び本郭に向かうと・・・ん?
サタデーナイトフィーバー? ジョン・トラボルタ!? いや、ほらっちょ氏だ!!
「ここが真田氏本城跡です!」と身体を張ってくれた。
案内板から真田本城の解説を見てみよう。
史跡 真田氏本城跡
この城跡は、天白城と共に馬蹄形状に構築され、南西面に広がる緩斜面には、真田氏館跡や原の郷があり、さらに指呼の間に戸石城・矢沢城を望むことができる。
本郭は東西8.6m 南北38mの広さで、南側に高さ2mの土塁を築き、北方へ二の郭 三の郭と段差を設けながら延び出し、その北側は急崖となって厳重に防備している。
規模は大きく水利もあり、周辺城跡群等の関係からみて、上田築城以前の真田氏本城であったと推定される。
この案内板の後ろの小山は本郭で土塁という事ね。
それでは反対側に回って本郭を見てみよう。
案内板にもあったように二の郭、三の郭と段々に延びている。
ここが本郭で先ほど案内板のあった場所の反対側の土塁が見える。
北東には ここへ来る時に通ってきた松尾古城が見える。
真田本城は別名・松尾城で、あの山城は松尾古城・・・ややこしいので真田本城で。
そして南西には戸石城が見える。
三の郭から本郭の方を見る。
二の郭と三の郭の間には堀切った跡も見られる。
三の郭から松尾古城方面を見る。
赤矢印の方向に行くと鳥居峠。
北西方向に信綱寺とその周辺の山城のある辺りが見える。
赤矢印方向に行くと松代へと抜ける地蔵峠がある。
赤丸の建物が信綱寺っぽかったのでズームしてみると・・・おおっ信綱寺だ!
真田本城からは真田町全体はもちろんだが、今回通ってきた鳥居峠方面や松代と通じている地蔵峠方面、さらに上田方面とすべてを見渡せる位置にある。
ここ真田の庄すべての山城と連携が取れ、司令塔の役割を果たせる防衛の要、
まさに名前の通りの真田本城であった。
小説「真田太平記」での真田本城は・・・って登場したかなぁ・・・
真田の庄はかつての本拠地として、草の者の本部的な位置付けであったような・ないような・・・
この城が活躍したのはそれ以前、真田氏勃興から砥石城を任されるまでかもしれない。
日も落ちてきたので、この日最後の目的地、真田氏歴史館のある真田氏館へと向かう。
去り際に真田本城を撮る・・・
お気付きかも知れないが、今回の話は夕方のはずなのにさわやかな青空・・・
以前来た時の写真が数枚紛れているのですた。
参考
宮坂武男著 「図解 山城探訪 第三集 上田小県資料編」